関連商品は、クーリングオフ・中途解約の対象です。
エステ・外国語教室・家庭教師・学習塾等の勧誘、締結に伴って、「購入する必要のある商品」
であるとして政令で定める商品をいいます。
1.契約書面上、商品の購入がそのサービスを受ける条件として記載されている場合
2.そのサービスに関連商品を使用する場合
3.勧誘内容によって、関連性が認められる場合
エステティックサロン |
・いわゆる健康食品
・化粧品、石けん(医薬品を除く)、浴用剤
・下着類
・美顔器、脱毛器 |
外国語会話教室
家庭教室
学習塾
パソコン教室
結婚相手紹介サービス |
・書籍
・ソフト(カセットテープ・フロッピーディスク・ビデオテープ・CD等)
・ファクシミリ機器・テレビ電話
・電子計算機・ワードプロセッサー
・指輪等の装身具、真珠・貴石・半貴石 |
問題となるのはその関連性の程度です。
(例)パンフレットや契約書に「推奨品」と記載しており、関連商品ではないと主張している場合
→ あくまで商品の性質や勧誘の実態に照らして判断します。取引の実態が関連商品であるのに、
契約書面に「推奨品」として中途解約権等が記載していない場合は、契約書面の記載不備
と評価される。 →いつでもクーリングオフ!
(例)勧誘の際は学習指導やエステ利用権を強調しながら契約させているが、契約書面には教材
や化粧品の販売だけを記載し、指導や施術は不存在とか無料サービスとか別個の短期契
約と表示している
→ 指導や施術の内容が実質的にみて有償の役務提供として評価されるときは、有償のサービス
と商品販売が付帯したもの認められる。さらにサービスが継続的で、商品とサービスの合計額
が5万円超のときは継続的役務提供契約と関連商品の販売に該当する。
(例)関連商品を別業者から購入
→ 購入が指定されていたり、購入手続きに関与している場合、代理又は媒介に該当し関連商
品となる。これに対し、どこの業者から購入するか消費者の自由選択に委ねているときは関連
商品とならない。
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たとえ違約金、損害賠償金の定めがある場合でも、サービス提供業者等が請求できる金額の
上限が決まってます。
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サービス開始前 |
サービス開始後
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エステティックサロン |
2万円 |
2万円または契約残高の1割の低いほうの額 |
+
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サービスを受けた額
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外国語会話教室 |
1万5千円 |
5万円または契約残額の2割の低いほうの額 |
+
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〃
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家庭教師派遣 |
2万円 |
5万円または1ヶ月分金額の低いほうの額 |
+
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〃
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学習塾 |
1万1千円 |
5万円または1ヶ月分金額の低いほうの額 |
+
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〃
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パソコン教室 |
1万5千円 |
5万円または契約残額の2割の低いほうの額 |
+
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〃
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結婚相手紹介サービス |
3万円 |
2万円または契約残額の2割の低いほうの額 |
+
|
〃
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Q.サービス開始後のサービス単価の計算は、正規の単価なのか割引後の単価なのか?
A.割引後の単価です。
例えば正規の価格が1単位5000円のところ、100回分まとめて契約すると30万円に
割引される場合、3000円で計算
Q.入学金・入会金等の初期費用の扱いは?
A.上記に示した金額を超える額の初期費用は、具体的な根拠を示してその必要性や合理
性を証明しない限り認められない。 したがって超過額は消費者に返金する義務がある
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Q.いわゆるチケット制や会員権制の取り扱いについて教えてください。
A.いわゆる「チケット制」や、「会員権制」のエステティックサロン、語学教室等についても、基本的に
規定の対象としています。このうち、有効期限のあるものについては、有効期限内はいつでも役
務提供を受けることが可能なことから、有効期限をもって役務提供期間とみなし、これが基準
期間を超えれば対象となり、また有効期限のないものについては、いつでも使用可能ということ
から、役務提供期間は常に基準期間以上であるとみなします。
なお、こうしたチケットや会員権を、役務提供を行う事業者以外の第三者が販売する場合には、
「特定権利販売契約」として、同様に法律の対象となります。
Q.役務提供期間や金額等の契約内容が変更された場合の法律の適用について教えて下さい
A.役務提供の期間や金額、関連商品等の契約の内容を変更する場合の法律の適用について
の基本的な考え方については以下の通りです。
a)当初の契約が規制対象外である場合
当初規制対象外であった契約の内容が変更された場合、基本的には新たに契約が締結
された場合と同様に考えて、変更後の契約内容が法律の要件に該当する場合には、契
約変更の時点から新たに法規制の対象となり、書面交付義務が発生し、クーリング・オフ、
中途解約ができることになります。
(例外)
変更後の契約内容のみを見た場合に法律の要件に該当しない場合であっても、当初
の契約と実質的に一体と見なされる場合には、全体として法律の要件に該当すれば、
全体として規制対象となる場合があります。
なお、例えば当初の契約において、外形上「一か月」としていても当然に契約期間の
延長を前提としており実質的に法律の要件に該当している場合には、そもそも当初の
契約の時点で規制対象に該当するものと考えられます。
b)当初の契約が規制対象であった場合
当初から特定継続的役務提供に該当する場合については、契約締結時に期間、金額
等法律上規定された契約内容を全て書面により明らかにしなければならないのが原則で
す。したがって、事業者が事後的に一方的にその内容を変更することはできません。当事
者の合意により契約内容を変更する場合の法律の適用についてはその実質に着目して
判断することになります。すなわち、新たな契約が締結されたと考えられる場合には、新契
約について法律の要件に該当するか判断し、該当する場合には新たに書面交付等を行
い、新書面交付の時点を起算点としてクーリングオフをすることができることになります。他
方、契約内容の変更にとどまる場合には、その時点で改めてクーリングオフをすることはで
きませんが、変更後の内容について書面で明確にする必要があると考えられます
Q.植毛、増毛、育毛、脱毛はエステティックサロンとして特定継続的役務に含まれますか。
A.植毛、増毛については、「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し」といういわゆるエステティック
サロンの定義には該当しないものと考えられます。また、育毛については、施術の一過程で
「皮膚を清潔にし若しくは美化し」に該当するものがありますが、これらが一過程に過ぎず、
実現する目的が異なる場合には該当しないと考えられます。
なお、脱毛については実現する目的(体毛の除去)が「皮膚を清潔にし若しくは美化し」
に該当すると考えられます。
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Q.エステ契約で当初一か月の予定が長引いた場合や、エステ契約後この商品も買う必要
があると言われた場合にはどうなりますか。
A.最初に契約の内容を全て明示することが原則
特定継続的役務提供については、契約締結時に期間、金額等法律上規定された契約
内容を全て書面により明らかにしなければならないことになっており、一方的にその内容を
変更することはできません。
期間の変更
実質的に一か月以内のエステ契約であれば法律が適用されませんが、一か月以内の契
約であったものを期間延長することにより、延長後の契約が特定継続的役務提供の要件
に該当することとなった場合、その時点で所定の書面を交付することが必要になります。
なお、延長後の契約が要件に満たない場合であっても、当該延長が当初から当然に予
定していた場合や、延長前と延長後の契約が実質的に一体であると判断される場合には、
一体としてみて要件に該当する場合に延長の時点で法律の対象となります。
関連商品の追加
特定継続的役務提供契約の場合、基本的には契約期間中、将来的に義務的に購入
する必要のある商品が想定される場合には、契約締結時に交付する書面に全て記載す
ることとなっており、そこに記載されていない商品について事後的に義務的に購入させるこ
とはできません。
従って、のちの段階になって書面に書いていない商品を「この商品を買ってもらわなければ
ならない。」という状況になった場合は、原則として改めて契約を締結する必要があります
(両当事者の合意がある場合には、期間、金額等の変更の場合と同様に扱います)
Q.特定継続的役務は「有償」で提供される役務と規定されており、教材販売に伴う役務
が無料であれば、法律の対象になりませんか。
A.「無料」と「無償」
法第41条第2項中で、特定継続的役務は「有償」で「継続的」に提供される役務とし
ており、無償で提供される場合にまで法律の対象とはなりませんが、無償と無料とは異
なり、実質的に「無償」であるかどうかで判断されます。
例えば、通信添削指導が無料とされていても、その役務が経済的価値を有する役務で
あって役務の提供を受ける者も経済的価値を認識して(すなわち有償であると認識して)
いる場合は、有償の役務が提供されているものと考えられ、法律の対象となります。
なお、具体的な「有償」、「継続的」の要件は同条第一項で規定されています。
Q.教材の付帯サービスとして行われる通信添削やテレフォン学習相談は、「家庭教師」に
あたりますか。
A.教材販売の付帯サービスが「家庭教師」に該当するかどうかの基本的な考え方は、基
本的に次のすべての要件に該当する場合に法律の適用を受けることとなると考えられます。
a)提供される役務が、「学力の教授」に該当するかどうか。
なお、学力の教授とは、知識や理論を教えることで学力の向上を図ることと考えられ
ます。従って、通信添削、テレフォン学習相談でこうした「学力の教授」を行えば継
続的役務に該当することとなります。なお、単なる教材の利用方法の説明、進学情
報の提供等は「学力の教授」にあたらないと考えられます。
b)関連商品と役務の対価その他消費者が支払わなければならない額が五万円を超え
ること。なお、役務自体は無料という説明であっても、対価性がある場合は該当しま
す。なお、教材に付いている通信添削やテレフォン学習相談が社会通念上、一般
にアフターサービスと考えられる場合で、役務の提供が販売の条件となっておらず、
消費者もそのように認識している場合は該当しないと考えられます。
c)当該役務の提供期間が二月を超えるものであること(期限が無い場合や無期限の
場合は常に該当します)
Q.教材を販売する際、契約書上は教材の売買契約となっていますが、添削指導や電話
指導によりわかるまで教えると言って契約をした場合、「家庭教師」に該当しますか。
A.わかるまで教える契約の実態で判断されることとなります。
この場合、「わかるまで教える」ということは、「学力の教授」に当たると考えられます。また、
教材販売の条件ともなっており、消費者がそれと認識し、かつ、期限の定めもないことか
ら、金額が五万円を超えた場合には「家庭教師」に該当すると考えられます。
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Q.いわゆる浪人生を対象とする学習塾は「学習塾」にあたりますか。
A.学習塾は対象を限定している
いわゆる大検は大学受験資格を得るための検定であり、最終目的は大学受験を目的
とするものですが、利用者が小、中、高生でない場合には「学習塾」には該当しません。
学校教育の補習の場合
ただし、大検を受験するコースが通信講座で行われており、その内容が小学校、中学校、
高校等の学校教育の補習として行われている場合には、「家庭教師」に該当することと
なります。
Q.大学入学資格検定(大検)を受験するコースは学習塾にあたりますか。
A.公益法人、社団法人が行う事業の一部に「当該特定継続的役務提供」類似の事業が
あったとしても、その事業は公益事業に付随して行われているものであり、営利追求を主
たる目的として行われていない限り対象とはならないと考えられます。